1.いよいよ開演!ネタバレ少しあります
開始早々、明るくなったと同時に目の高さと同じくらいの高さにある舞台の最前から目に飛び込んできたのは、パイプ椅子に座っている誰かの後姿。
背もたれの隙間から見えるおしりと無意識に目が合い、漠然とおしりだ・・・と思っていたら、それは顕嵐くんのおしりでした。
そして急に椅子から立ち上がり客席を振り向いたと思ったら、物凄い勢いで割と長めのセリフを発し、こんな顕嵐くん観たことない…とその迫力と近さに頭が真っ白になりました。
その後も次々と登場人物が出て来て同じように物凄い勢いでセリフを言うのですが、真っ白になったので悲しいことに内容を全く覚えていません。
強烈な幕開けにこの舞台が生半可な気持ちで作られたものではないことを感じました。
そして物語は、集団面接で面接官の質問にうまく答えられずオロオロする顕嵐くん演じる二宮拓人のシーンから始まっていきました。
2.私の好きなシーン
以下、感想を好きなシーンに合わせてつらつらと述べます。
1.裏拓人のシーン
演出が斬新というか、私の想像していた「舞台」というのとは全然違って、舞台の基礎を知らないのにいきなり応用編から見てしまったような感じでした。
舞台なんだけど、映画やドラマを観てるような、同じ場所なのに一瞬でシーンが変わる演出がすごく面白かったです。
最初は演出家さんの「劇団鹿殺し」というネーミングセンスにびびり、顕嵐くんがどんな目に遭わされるのかと心配しましたが(実際は見てられないような、体を痛めつけるひやっとするシーンもあったけど)もしかして、ヤバい(褒めてる)人たちと舞台を作ってたのではないか、こんな面白い経験を顕嵐くんもながつももうしちゃうの?と思って、「舞台」の印象が180度変わりました。
私にとっては顕嵐くんが演じたからよりそう思うのですが、本当に本当に面白い舞台演出でした。
それでそのシーンが一瞬で変わる時というのは主にネガティブな心の内面を表す時で、それをダンスや音楽で表すのですが、その合図は顕嵐くん演じる拓人がメガネを掛けることから始まります。
で、何が言いたいかと言うとこのメガネを掛ける瞬間の顕嵐くんの表情のカッコいいことったらなかった…。
拓人が裏拓人に切り変わって嫌な部分を表現するのですが、その切り替わる瞬間に見せる鋭い冷たい冷めた目が一瞬で別人に変わったことを見せつけていて凄いなと。
ダンス後の役者さんたち顔には汗が滲んでおり、そのハードさを物語っていました。
2.クライマックスの拓人のダンスシーン
ラストシーンに向けて、美山加恋さん演じる理香と拓人があることから衝突して理香に死ぬほど責められる(美山さんのこの演技は皆さんに観て欲しいと思うくらい)のですが、そこで苦悩し崩壊してゆく拓人を表現しているのが、関西ジャニーズJr.の番組「まいどジャ~ニ~」で宣伝として流れたダンスでした(未だにどうしてまいジャニで取り上げられたのか謎)。
テレビで観るよりもずっと細い体から発せられる怖いほどのオーラを纏い、何かが憑依したかのように踊り狂い、躊躇なく床に倒れる姿に息を呑みました。
もしかして前歯が欠けてしまったのってこの稽古が原因だったりして…。
このダンスは欅坂46の振り付けでも有名なTAKAHIROさんが振り付けたそうですが(maru氏はエグザイルさんの方だと思っていた)、こんな顕嵐くんのダンスは初めて観ました。
顕嵐くんの出すオーラとダンスが見事に融合していました。
拓人のダンス後に舞台の上から客席に降ってきたエントリーシートの破片。
くちゃくちゃでビリビリに破かれて、写真はまるで拓人の心の姿のよう。
3.そして物語はクライマックスへ
ダンスが終わり、こんなに責められたらもう拓人は立ち直れないのでは、このまま人間関係も自分も壊れて物語が終わったら悲しすぎるなと思っていたら、場面が一番最初に出てきた集団面接のシーンに変わって、面接官の質問にオロオロする拓人が現れました。
しかし、そこに居る拓人は最初のシーンの拓人とは違っていました。
面接官の質問に上っ面ではなくてきちんと自分の言葉で答える拓人。
気まずくてもう会えないと思っていた仲間たちに勇気を持って連絡し、また会えるようになったと嬉しそうに言う拓人。
そして、もう大丈夫、もう僕は大丈夫だ!と目をキラキラさせて言ったところで、幕は下りました。
暗闇の中でもがいていた拓人が、周りとの関わりの中で苦しみながらも自分を見つけられて、もう大丈夫だ!と言ったその瞬間、拓人から光が発光したように見えて、拓人が自分を見つけられてよかった…本当に良かったと涙があふれました。
今回は間近で演者さんを観られたことも、より感動したポイントのひとつだったと思います。
ただステージ全体を使った演出は見えにくかったので、色んな角度から何回も観たかったなと思える舞台でした。
4.カーテンコール
座長として、センターで三方礼をする顕嵐くん。表情が固く、目もちょっと怖い…。
さっきまで迫真の演技をしていて、息をつく間もなくカーテンコールって感じだったので、まだ殺気立ってるような印象で..あと本当に気のせいかも知れないけど全然客席見ないなと思いました。
顔は客席に向いているけど、お客さんの顔は見ていないような気がして。件の報道があったのがこの2日前だからかな
一方でmaru氏はながつを見ていたそうなのですが、終演後、驚きの話を私にしてくれました。
5.終演後
さて、maru氏と興奮と満足感でフワフワしながら品川駅まで歩いて帰りました。
行きとは違う経路を通ってみましたが、こっちのルートの方が人も少なく、景観が良くて気持ちよく歩けました。
maru氏の顕嵐くんの感想は、凄かった!魔女宅より格段にレベルアップしていたねとのこと。
そして、顕嵐くんとはさっぱり目が合わない、合ったと思っても焦点が合ってないような感じがしたけど、ながつは結構目が合ったよ、とさらりと言われました。
えっ目が合ったよ…?!
いやいや、客席の方を向いていただけで、お客さんの顔は見てないのだということを説明したのですが、目が合ったからびっくりしてすぐ目を逸らしちゃったけど、またそのあと数秒目が合って今度はながつが目を逸らしたとの主張。
目が合ったと思っているため親近感を抱いたながつについては、幾つなの?え゛19歳!!19であれが出来るの・・・凄いね・・・とのこと。
私はほとんど声しか聴けなかったけど、よく響くはっきりとした太い声に驚き、重たいセリフは心にズシンときました。
むしろ声しか聴いてないのに感情が伝わるようでした。
そして頭が小さくて、スタイル完璧で、顔がカッッコよくてびっくり。
ながつは生で観る方がオーラ出てる気がしました。
逆に顕嵐くんは映像で観る方がオーラが出る気がしますが、いずれにせよ今後の二人の演技仕事が楽しみです。
6.最後に
魔女宅の時は顕嵐くんに涙したけど、何者では拓人に涙させられました。
顕嵐くんは観る度に進化していて、今を更新してくる男だな~と思います。
Jr.という立場はデビューを目指す研修生という概念でしたが、近年、それが変わろうとしているのかなと思える空気を事務所やJr.自身からもなんとなく感じます。
デビューに拘る時代(=事務所事情)じゃなくなってきているのかなと思うこともあるし、またデビューした先に成功が約束されている訳ではないけれど...、それでも、成長しきる前に、デビューがゴールになる前に、顕嵐くんのデビューする姿が観たいと思う帰り道でした。
最後に、私がゾクゾクした伏線とその回収については書かなかったので、ぜひ本作をお読みになって頂きたいと思います。
さて、次に発表されている顕嵐くんの大きな仕事は2018年6月15日公開の映画「空飛ぶタイヤ」です。
顕嵐くんが10代のうちに映画出演したいと言って有言実行した初出演映画です。
しかも池井戸作品です。
出演陣も豪華で、錚々たる出演者の並びにJr.の阿部顕嵐が居るって凄くないですか…。
デビュー組が選ばれてもおかしくないのに、そこに顕嵐くんが選ばれた意味…。
公開はまだだいぶ先ですが、明日をも知れないのがJr.の世界の辛いところ。
次が決まっているというのは素晴らしいことです。
今年もさらに飛躍する顕嵐くんが観られますように!
追記1:
この記事を書いた後に、キューバ行きの機内の映画で「何者」を観る機会に恵まれました。
舞台と同じセリフがあると顕嵐くんやながつを思い出して…。
記憶はだんだんと薄れていくけれど、舞台の生もの感、役者さんから感じたパワーは心に残るものだと知りました。
舞台ではよく理解できなかった烏丸ギンジと拓人の関係が分かってスッキリ!!
ラストは舞台と違ってどよ~ん…としたけど、映画も面白かったです。
やっぱりこの物語は伏線の回収が面白いです。
追記2:
2018年1月17日、Jr.内ユニットのMr.KINGとPrinceがKing&Princeとしてジャニーズ事務所からは実に4年振りにCDデビューすることが発表されました。
正直、近キョリ恋愛というドラマで、Princeの岸優太くんと顕嵐くんが共演しているのをみて以来、このふたりが同じグループでデビューしたらジャニーズに対する逆風吹き荒れる世間をゆくゆくは沸かせられる存在になるのではと思っていたので、結構ガクッときました。
しかし少し前まではCDデビュー打ち止めかという報道もあった中、事務所が新レーベルを立ち上げたということもあり今後に希望が見えてきました。どんどんデビューさせるのはどうかと思いますが、ぜひ選ばれしJr.は世間にお披露目して欲しいです。
追記3.文庫本 『何者』を購入! 2018.7月
朝井リョウ著の文庫本『何者』を購入しました。
読書が苦手なmaru氏が映画『空飛ぶタイヤ』を見た後に購入した文庫本を読み終えてしまったので、次の本として購入。
『空飛ぶタイヤ』の800頁超えの作品に比べるとお手軽感があります。